東京大学 物性研究所 新物質科学研究部門
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新しいポストペロブスカイト型酸化物CaPtO3の合成

 マントル最深部に存在するポストペロブスカイト型MgSiO3の物性を調べることは、その圧力条件を考えると極めて困難である。そこで、比較的低い圧力領域で安定なアナログ物質が有用であるが、常圧に回収可能なポストペロブスカイト型酸化物はCaIrO3, CaRuO3に限られていた。我々は、新しいアナログ物質CaPtO3の合成に成功した。
ポストペロブスカイト型酸化物CaPtO3
 ポストペロブスカイト構造の安定化因子として、ペロブスカイト相における斜方晶歪みが議論されてきた。CaPtO3の構造を仔細に調べることで、ポストペロブスカイト型化合物ABX3におけるB-X結合の共有結合性も、構造安定化に重要な役割を果たしていることが明らかになった。地球深部におけるMgSiO3においても、Si-Oの共有結合性が卓越しているものと考えられる。

<参照文献>
  1. "CaPtO3 as a Novel Post-Perovskite Oxide" Kenya Ohgushi, Yoshitaka Matsushita, Nobuyoshi, Miyajima, Yoshio Katsuya, Masahiko Tanaka, Fujio Izumi, Hirotada Gotou, Yutaka Ueda, and Takehiko Yagi, Phys. and Chem. of Minerals, Phys. Chem. Minerals 35, 189 (2008).